かなり昔ですが、先輩3人がそろって定年退職しました。すごく優秀でアクティブな方々でした。
私はまだ若手で、定年後のイメージは、その時持っていませんでしたが、興味が湧き、
3人がお辞めになる直前に、それぞれお話を聞きしてみました。
Aさんは、「株をいっぱい持ってるんだ。1日の値動きは給料ぐらいの上げ下げだから、
稼がなくていいんだ。」羨ましいと思いました。
Bさんは、「貯めた金でクルーザーを買ったんだ。俺は海で楽しみを見つける!」
私も、海に憧れてるので、素敵だなと思いました。
Cさんは、「これからは図書館通いで好きな本を好きなだけずっと読むんだ」と楽しそう。
落ち着いたCさんらしいセカンドライフだなと思いました。
3人を送別会で送り出しました時、皆さん明るい顔だった事を覚えています。
そんな日が過ぎ、7,8ヶ月が過ぎた頃、ばったり、Ⅽさんに会いました。
「辞めてからどうですか?」
私は、憧れそのままに、質問しましたが、久しぶりのCさんは、こう答えました。
「最近、いつもAとBと一緒にいるんだよ。いつも集まってんだよ。」
私は不思議に思い、図書館の事や、クルーザーの話を改めて聞きました。
「Aは、金はあるけど使い道が分からないんだって。Bは、船はガソリン代がかかりすぎて、
そんなに海に出られないし、俺は図書館行ってるけど、読んだ本の話を誰かに話したいからさ、
だからいつも一緒にいるんだよ」
と、教えてくれました。3人ともあんなに夢にあふれてたのに・・・。
Cさんと別れた後、すごく考えさせられて、自分の定年後の事を、人生で初めて考えました。
人は独りでは生きられないんだ。
心が休まる人の近くにいることが、一番楽しいんだ。
と思いました。
そして更に、「今、心が休まるなと思う人を大切にしよう」と思いました。
きっと、定年後も楽しい人生を呼び寄せてくれるだろうと確信したからです。
この頃からです、私が人と絡みだして多趣味に拍車がかかり、
色んな人を巻き込んで企画を出したり、
ちょっとサービス精神が芽生え、サプライズを演出したりし始めたのは。
「人生で初めて定年後について考えた時」のお話でした。
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