日本映画を語るうえで、高倉健を抜きにする事は出来ないと思います。
前々回「遥かなる山の呼び声」でも登場した高倉健を見た事が無い⁉と言う若い人
がいたので、健さんをわかりやすく知る事が出来る映画をご紹介します。今回2本目。
「冬の華」。1978年6月公開のこれまた古い映画です。
今回は、高倉健が悪人(ヤクザ加納秀次)を演じています。
映画冒頭から人を殺す殺人シーンから始まり、健さんファンとしては少しピリつく映画です。
関東ヤクザと関西ヤクザの抗争を描いています。
加納はその後、刑務所に15年服役しますが、退所するまで冒頭で殺した兄弟分の一人娘を、
「ブラジルにいるおじさま」として影から養育しつづけ、
出所後は、組員の人望を集めながら、かたぎになる事を迷うという二面性を演じています。
一人娘役は若かりし池上季実子さんで、若く綺麗でありながら大人びた雰囲気で、
若いヤクザと恋仲になってしまう役柄にもピッタリのはまり役です。
また、その恋仲の男役が三浦洋一さん。46歳の若さで亡くなったなんて考え深いです。
ストーリーとしては、高倉健が口数少なく、人柄から仲間を纏めていくという鉄板映画ですが、
チャイコフスキーのピアノコンチェルトが効果的に流れ、やくざ映画としては、
かわった雰囲気のある映画となっています。昼の恋愛ドラマの様でもあります^^
後半にドス(短い刀)を握るシーンが出てきますが、これまた往年の任侠映画を彷彿とさせます。
やっぱり、姿ががっしりしていて、寡黙な感じの高倉健はやくざ映画がはまり役だと思います。
そのイメージを崩さないために、自分の生活スタイルまで変えたと言われる彼の映画への情熱は、
この映画でもわかるのではないでしょうか。
ちなみに、私のこの映画の楽しみ方は、冒頭の殺人シーンとラストシーンを交互に繰り返し、
観る事です^^;
これ始まると、ずっと行ったり来たりして観ちゃうんですよね^^;
自作の小屋で、ピアノコンチェルトを流そうと考えてる私は、
完全に映画に影響されやすい人間ですね。
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