ベルリンの壁崩壊前。情報が閉鎖され、偏っていて、それでいて間違っている。
東ドイツの悪名高き国家保安省「シュタージ」の一員で、
盗聴・尋問に優れた鉄仮面の様な表情の男、ヴィースラーが、
上司の指示で、劇作家の男(ドライマン)とその恋人で人気女優のマリアの生活を盗聴する。
何も問題のない2人の生活を盗聴する事が続き、
東ドイツのシュタージ局員とは違い、自分との生活の質や愛の在り方などに、
少し違和感を感じている所で、
劇作家の弾く「ピアノソナタ」が、ヴィスラーの心に響き思わず涙してしまう。
この映画は、ドイツ映画として、アカデミー賞外国語部門を受賞した名画です。
ヴィスラーを演じたウルリッヒ・ミューエは、アカデミー賞を受賞した次の日胃がんの手術を
しましたが、1年後に亡くなったと知りました(wikipedia)。
悪役でありながら、マリアに対する思いや、ベルリンの壁崩壊後の少し明るい表情の演技も
素晴らしく、なんとも寂しい思いがしました。
映画はその後、友人の死によって考えの変わっていく劇作家の男と、
マリアが見つめる現実主義が交錯し、それぞれがシュタージに追い詰められていく。
そして、ヴィスラーにも大きな変化が・・・。そしてだれも望まないクライマックスへ。
ドイツ映画の落ち着いた雰囲気と、ドイツの比較的近い暗黒時代を感じ取れる名画でした。
命令や指示が間違っていたり、悪意があれば、部下は間違ってしまうのかも知れん。
ですが、違う世界の情報や反対の考えを考える事も重要だなぁと思いました。
うーん、ドイツ映画は真面目になっちゃいますね。
マリア役のマルティナ・ゲデック。美熟女なのでおじ様方にもおすすめです^^
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